小林秀雄

批評の文章では特に語尾が大事だと小林さんはよく言っていたんですよ.「である」でいくか,「のである」か,「であろう」にするか…….語尾ついて,ずっと考えていると言っていた.読者は読み過ごしていくかもしれないけれど,日本語は語尾で自然に説得されてしまうところがあるんですね.小林さんの文章が説得力を持っている秘密は,どうやらその辺にもあるようです.
en-taxi03 坂本忠雄 p.59